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 検体検査/血液検査/糖尿病
監修:新潟大学大学院医歯学総合研究科 教授 岡田正彦
血糖(BS)グリコヘモグロビン(HbA1c)経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)インスリンアミラーゼ
 血糖(BS)

 血糖値は、血中ブドウ糖濃度のことで、低血糖、高血糖の検査のために測定します。
 静脈血漿中のブドウ糖濃度を測定します。食事の影響を大きく受けるため、朝食を抜いた状態で受けるのが基本です。
 空腹時血糖が126mg/dL以上または随時血糖が200mg/dL以上の場合は糖尿病型と判定されます。また、正常域にも糖尿病域にも属さない場合、境界型とされ経過観察が必要です。通常はこの検査で十分ですが、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行うこともあります。

 糖尿病であるか否かが判定できます。この検査値より、糖尿病になる可能性を早期に発見し、適切な血糖コントロールを早期に開始することによって、糖尿病の重症化を抑制し、糖尿病性合併症の発症を遅らせることができます。

空腹時血糖値:110mg/dL未満
  2時間値:140mg/dL未満
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 グリコヘモグロビン(HbA1c)

 血糖値の高い状態が続くと、赤血球中のヘモグロビンにグルコースが結合していきます。グリコヘモグロビン(HbA1C)を測定することで、過去1〜2カ月間の平均血糖値を推定することができ、長期的な血糖コントロールの判定に用います。また、糖尿病などのスクリーニングにも使用されます。この検査の特徴は、食事の影響を受けないことです。
 血液中のHbA1Cを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やラテックス凝集法を用いて測定します。HbA1C値は、全ヘモグロビン量に対するブドウ糖が結合したヘモグロビンの割合を百分率(%)で表示したものです。

 糖尿病の長期間の血糖コントロール状態が分かります。持続的高血糖により異常高値を示す為、糖尿病など糖代謝異常を疑った場合や病態の治療効果の判定、経過観察も分かります。
低 値 高 値
溶血性貧血 糖尿病

4.3〜5.8%(日本糖尿病学会)
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 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)

 経口ブドウ糖試験(OGTT)は、軽度の糖代謝異常の検査のために測定します。随時血糖値や空腹時血糖値だけでは判定が難しい場合に行われ、糖尿病の診断に有効な検査とされています。
 OGTTでは、75gのブドウ糖を含んだ液体を飲み、2時間後に採血して血液中のブドウ糖濃度を測定します。日本糖尿病学会では糖尿病の判定基準には空腹時血糖値が126〜139mg/dLの場合、OGTTを行うことを推奨しています。
 インスリンの分泌能の判定をします。OGTT2時間値が≧200mg/dLの場合は、糖尿病が疑わられます。また、正常域にも糖尿病域にも属さない場合、境界型とされ経過観察が必要です。

 境界型の血糖値を示した場合の、糖尿病の診断ができます。糖尿病になる可能性を早期に発見し、適切な血糖コントロールを早期に開始することで、糖尿病の重症化を抑制し、糖尿病性合併症の発症を遅らせることができます。

空腹時血糖値:110mg/dL未満
 随時血糖値:140mg/dL未満
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 インスリン

 膵臓のインスリン分泌能や、インスリン抵抗性の程度を把握する目的で測定します。インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されますが、この試験を行うことでβ細胞のインスリン分泌の機能状態を知ることができます。血中インスリン濃度を測定します。インスリンは、ブドウ糖の利用、蛋白の合成、中性脂肪の形成および貯蔵を促進するポリペプチドホルモンです。血中インスリン濃度は、通常、血中ブドウ糖濃度(血糖値)と相関しています。

 インスリン分泌能の異常について分かります。また、インスリン感受性が亢進し耐糖能異常がみられないか、インスリンの作用が減弱して糖代謝異常の出現があるかどうかなどが分かります。
低 値 高 値
糖尿病 インスリノーマ、肥満など

空腹時:5〜15μU/mL
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 アミラーゼ

 アミラーゼはデンプンを分解する酵素で、主に膵臓や唾液腺から分泌されます。膵疾患や唾液腺疾患の診断を目的に検査されます。血清中や尿中アミラーゼ活性を測定します。正常値は、測定法によって異なります。
 アミラーゼ活性は日内変動し、夕方から夜半にかけて約5%上昇します。新生児ではやや低めですが、2〜3歳には成人値となります。妊娠ではやや高値になります。

 膵疾患や唾液腺疾患の異常が分かります。アミラーゼ活性は、膵臓や唾液腺の損傷により高値に、細胞内のアミラーゼ合成・分泌の低下により低値になります。また、アミラーゼは腎から排泄されるので、腎不全やマクロアミラーゼ(血液中で免疫たんぱくなどが結合したもの)のときは尿中の値が血中よりも低くなります。
血中アミラーゼ低値 血中アミラーゼ高値
軽度〜中等度 中等度〜高度
慢性膵炎(膵機能荒廃期) 慢性膵炎、膵癌、流行性耳下炎、肝・胆道疾患、婦人科疾患、腎不全、ムンプスなど 急性膵炎、慢性膵炎の急性増悪
尿中アミラーゼ低値
マクロアミラーゼ血症、腎不全、慢性膵炎(膵機能荒廃期)

酵素法 血液 55〜245 IU/L
尿 790 IU/L以下
Blue Starch法 血液 100〜400 IU/L
尿 200〜1500 IU/L
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